今回は海外のニュース番組(CBS News)による、27年間かけて徒歩での世界一周に挑む男性のドキュメンタリー・インタビューの動画から、リアルな英語表現を学びます!
- テキスト上の難易度: 英検2級 / TOEIC 600点程度(文法構造自体は標準的ですが、ドキュメンタリーやニュース特有の語彙、世界各国の地名などが一部含まれます)
- レベル目安(リスニング体感難易度): 英検準1級 / TOEIC 780点程度(WPM 140〜150前後のニュース特有のテンポに加え、インタビューでのイギリス英語のアクセントや、
sucksdudemess upといったリアルな口語表現・スラングが混ざるため、体感難易度は高めです)
重要単語・フレーズ解説
動画に出てくる重要な語彙や、知っておくと表現の幅が広がるスラング・難単語をピックアップして解説します。
表現①:set off on ~(動画内 00:05)
- 意味・ニュアンス
-
単に「出発する」だけでなく、これから始まる「長旅や壮大な計画、新しい冒険に乗り出す」という前向きな決意が含まれる表現です。
学校英語で習う “start” や “leave” よりも、旅の始まりをドラマチックに演出する響きがあります。”off” には「その場を離れて先へ進む」というニュアンスが含まれており、新しい章の幕開けを感じさせるフレーズです。
一言フレーズ(活用例):
After months of planning, she finally set off on her journey to study abroad.
何ヶ月もの準備を経て、彼女はついに留学への旅路に出発しました。
表現②:globetrotter(動画内 00:16)
- 意味・ニュアンス
-
世界中を頻繁に旅する人、世界を股にかけて活躍する人を指します。観光客(tourist)よりも、旅慣れていて広範囲を移動するアクティブな旅人というニュアンスです。
「地球」を意味する “globe” と、「小走りする・駆け足で進む」という意味の “trot” が合体してできた単語です。アメリカの有名なエキシビション・バスケットボールチーム「ハーレム・グローブトロッターズ」の名称にも使われており、世界を飛び回る躍動感のある表現です。
一言フレーズ(活用例):
My uncle is a true globetrotter who has visited over fifty countries.
私の叔父は50カ国以上を訪れたことがある、本物の世界を股にかける旅人です。
表現③:if you will(動画内 00:16)
- 意味・ニュアンス
-
「いわば」「言ってみれば」「もしそう呼びたければ」という意味で、比喩的な表現や少し大げさな表現を文中に付け加える際によく使われる挿入句です。
“if you want to call it that(もしそう呼びたいのであれば)” を短く上品にした表現です。自分の言葉選びが少しユニークだったり、誇張気味だったりするときに、聞き手に対して「ちょっと大げさに言えばね」と一歩引いてニュアンスを和らげる大人の表現です。
一言フレーズ(活用例):
He is the brain of our project, if you will.
彼は、言ってみれば私たちのプロジェクトの頭脳です。
表現④:traverse(動画内 01:10)
- 意味・ニュアンス
-
山、海、大陸などの広大な土地や、険しい道を「横断する」「縦断する」「走破する」という意味の、やや硬くスケールの大きな動詞です。
日常会話の “cross”(渡る)に比べて、英検1級や国連英検、学術的な文脈で好まれる難単語です。ただ通り過ぎるだけでなく、「困難な地形や障害を乗り越えながら、苦労して進み続ける」という文脈で非常に重みを持って使われます。
一言フレーズ(活用例):
The team successfully traversed the rugged mountain range.
チームはその険しい山脈を見事に走破しました。
表現⑤:live it to the fullest(動画内 01:28)
- 意味・ニュアンス
-
「人生を最大限に満喫する」「悔いのないように命いっぱいに生きる」という意味の、非常にポジティブで強いメッセージ性を持つ定番フレーズです。動画内では、
live it to the fullestという形で発話されています。ここでのitは、直前のOur lives(複数形)を文法的に直接受けているというよりは、live it to the fullest(人生を精一杯生きる)という定型表現(イディオム)の一部として使われているか、あるいは口語特有の表現(カジュアルな代名詞の不一致)と解釈するのが自然です(一般的な英語教材などではlive life to the fullestというイディオムでよく紹介されます)。
“fullest” は「最も満たされた状態」を表す最上級です。ただ毎日を何となく過ごすのではなく、自分の可能性やチャンスを100%使い切るようなエネルギーに満ちた生き方を指します。SNSのプロフィールや、ライフスタイルを語る際によく使われるネイティブお気に入りの表現です。
一言フレーズ(活用例):
She always tries to live life to the fullest by taking on new challenges.
彼女は新しい挑戦をすることで、常に人生を最大限に満喫しようとしています。
表現⑥:run-in(動画内 01:59)
- 意味・ニュアンス
-
好ましくない相手や、危険な動物・物事と「予期せず遭遇すること」「鉢合わせすること」、あるいはそこから生じる「小競り合い・トラブル」を意味する口語表現です。
動画内ではホッキョクグマとの「ニアミス(危険な遭遇)」という意味で使われていますが、日常会話では “have a run-in with the police”(警察とトラブルを起こす)や “have a run-in with my boss”(上司と言い争う)のように、嫌な衝突を経験した際によく使われます。
一言フレーズ(活用例):
I had a brief run-in with an aggressive dog on my way home.
帰宅途中、攻撃的な犬と少し鉢合わせしてしまいました。
表現⑦:mess up(動画内 02:08)
- 意味・ニュアンス
-
「ヘマをする」「大失敗する」「状況を台無しにする」という意味の、ネイティブが日常会話で非常によく使うポピュラーなカジュアル表現です。
学校で習う “make a mistake” よりも、失敗の度合いが強く、「状況がめちゃくちゃ(mess)になる」というニュアンスが生々しく伝わります。動画内では「一歩間違えれば(ミスをすれば)20分で命を落とす世界だ」という緊迫した文脈で使われています。
一言フレーズ(活用例):
Don't worry about it, everyone messes up sometimes.
気にしないで、誰だって時にはヘマをするものだから。
表現⑧:on the road(動画内 02:38 / 03:08 / 03:42)
- 意味・ニュアンス
-
旅に出て、移動中で、出張中で
直訳すると「道路の上で」ですが、ネイティブスピーカーの日常会話では、長期の旅行中であることや、出張などで「あちこち移動している状態」を指す決まり文句として非常によく使われます。家を離れて常に移動を続ける過酷さや、旅そのものを楽しんでいるニュアンスを表現するのにぴったりのフレーズです。
一言フレーズ(活用例):
He spends half of the year on the road for his business.
彼はビジネスのため、一年の半分を出張(移動)に費やしています。
表現⑨:You know what?(動画内 02:46)
- 意味・ニュアンス
-
「やっぱりさ」「ぶっちゃけね」「実を言うとね」という意味で、あれこれ葛藤した末に重大な本音や諦め、腹を決めた決断を切り出す際のニュアンスです。
相手の注意を引いて重要なことを切り出す際に使われる、非常にポピュラーな口語表現です。直訳の「あなたは何を知っていますか?」という意味ではなく、文頭に置くクッション言葉のような役割を果たします。日常会話でのカジュアルな提案だけでなく、本動画のインタビュアーが「やっぱり(旅をやめて)戻るべきではないか」という葛藤が頭をよぎった瞬間についてカールさんに問いかけるシーンのように、重大な本音や決断に迫る(あるいは切り出す)ような緊迫した文脈でも非常によく使われます。
一言フレーズ(活用例):
You know what? I've made up my mind to keep going.
やっぱりさ、私は進み続けるって腹を決めたんだ。
表現⑩:isolated(動画内 03:03)
- 意味・ニュアンス
-
孤立した、他から隔離された、孤独な
物理的に周囲から切り離されている状態だけでなく、精神的に孤独を感じている状態にも使われる単語です。TOEICや英検などの資格試験でも、社会問題やビジネス環境(リモートワークによる孤立など)の文脈で頻出する重要な語彙です。動詞形は isolate(〜を隔離する)、名詞形は isolation(孤立、隔離)となります。
一言フレーズ(活用例):
Working from home can sometimes make people feel isolated.
在宅勤務は、時に人を孤立した気持ちにさせることがあります。
表現⑪:Get off the couch(動画内 03:31)
- 意味・ニュアンス
-
ソファから立ち上がる、ダラダラするのをやめて行動を起こす
字面通り「ソファから降りる」という意味ですが、比喩的に「怠惰な生活をやめて行動を開始する」「重い腰を上げる」という意味で使われる定番のイディオムです。英語圏では、テレビばかり見て座って過ごす怠惰な人を「couch potato(カウチポテト)」と呼びますが、この表現もそのイメージと深く結びついています。
一言フレーズ(活用例):
If you want to get in shape, you need to get off the couch and start exercising.
体を絞りたいなら、ダラダラするのをやめて運動を始める必要があります。
表現⑫:fulfilling(動画内 03:42)
- 意味・ニュアンス
-
充実した、やりがいのある、満足のいく
動詞 fulfill(を満たす、を果たす)の現在分詞から派生した形容詞です。自分の能力を発揮できたり、意味のある活動を行ったりした結果として、心からの「満足感」や「充実感」を得られている状態を表現する際に最適です。TOEICのキャリアや職場環境に関する長文読解などでも、理想的な仕事の性質を表す言葉としてよく登場します。
一言フレーズ(活用例):
Volunteering at the animal shelter was a deeply fulfilling experience.
動物愛護施設でのボランティア活動は、深く充実した(やりがいのある)経験でした。
ピックアップ英文・構文解説
動画の重要シーンから、知っておくと役立つ英文やネイティブ特有のセリフを厳選し、詳しく解説します。
英文:he couldn’t use any mechanical transport and he would not go home until he got there on foot.(動画内 00:36)
日本語訳: 彼は機械を使った交通手段を一切使えず、徒歩で家(ゴール)にたどり着くまで家に帰るつもりはありませんでした。
解説:
動画の冒頭で紹介される、カールさんが自分に課した「2つのシンプルなルール」を説明する一文です。学校英語や資格試験でも頻出の重要な文法要素が詰まっています。
would not(過去の強い意志・拒絶): ここでの would は「〜しようとした(するつもりだった環境)」という過去の意志を表します。否定形の would not にすることで、「絶対に〜するつもりはなかった」というカールさんの並々ならぬ決意の固さを表現しています。
not ~ until ...(…するまで〜しない / …して初めて〜する):
構造を視覚化すると次のようになります。[he would not go home] until [he got there on foot]
ここでの there は直前の go home の home を指しており、「徒歩で家(ゴール)にたどり着くまで、家に帰るつもりはなかった(=歩いて家にたどり着くことで初めて旅が完結する)」というニュアンスが含まれています。直訳すると「徒歩で家に到着するまで、家には帰らないつもりだった」となりますが、「徒歩で家にたどり着いて初めて、家に帰るつもりだった」と訳すと、日本語としてより自然で前向きな強い意志が伝わります。
on foot(徒歩で): 交通手段を表す際、by train(電車で)や by car(車で)のように by を使いますが、「徒歩」の場合だけは足が地面に「接している」イメージから前置詞 on を使い、無冠詞の on foot となる点も重要なポイントです。
英文:But swimming sucks, dude. It just sucks. I’m not a swimmer, I don’t like it.(動画内 02:29)
日本語訳: だけど、泳ぐのって最悪だよ、なあ。本当に最悪だ。俺はスイマーじゃないし、好きじゃないんだ。
解説:
大陸を渡るために過酷な海や湖を泳ぐ必要があったカールさんが、本音を漏らす非常に人間味あふれるシーンです。ここではネイティブが日常会話で頻発するリアルな口語表現(スラング)が使われています。
sucks(最悪だ、ひどい): 動詞 suck は、カジュアルな日常会話で「(物事や状況が)最悪だ」「つまらない」「大嫌いだ」と言いたいときの超定番フレーズです。主語が swimming(動名詞・単数扱い)なので三人称単数の s がついて sucks となっています。フォーマルな場では避けたい表現ですが、映画やドラマ、親しい友人同士の会話では非常によく耳にします。
dude(お前、なあ、おい): 主に親しい間柄(特に男性同士)で、相手を親しみを込めて呼ぶときの呼びかけの言葉です。ここでは、ニュース番組のインタビューというシチュエーション(記者に対するフランクで親しみを込めた語りかけ)を考慮し、乱暴な「お前」ではなく「なあ」と親近感を添えるニュアンスで呼びかけています。
It just sucks.(本当に最悪だ): ここでの just は「ただ単に」という意味で、後ろの sucks を強調し、「とにかく最悪なんだ」というやり切れない感情を強調する役割を果たしています。
英文:So it was understood that if any of them died, I wouldn’t be there at their funeral.(動画内 02:51)
日本語訳: ですから、もし彼ら(家族や親しい友人)の誰かが亡くなったとしても、私がそのお葬式には参列できないということは(旅の出発時点で)了解されていました。
解説:
27年という気が遠くなるような歳月を旅に捧げる中で、家族との間で交わされた過酷な約束について語る、非常に重みのある一文です。
形式主語の it と that 節:it was understood [that ...] の構造になっており、it は形式主語です。本当の主語は that 以下の内容になります。「that 以下の内容は(周囲の間で)理解されていた / 共通の了解事項だった」という意味になります。
that節の中の「時制の一致」:that 節の中を見ると、if any of them died, I wouldn't be there... となっています。
if + 主語 + 過去形(died)主語 + 助動詞の過去形(wouldn't) + 動詞の原形(be)
一見すると「仮定法過去」と同じ形ですが、これは主節が過去形(it was understood)の複文であるため、過去の時点における実際の約束や了解事項(当時交わした「もし誰かが亡くなったら、お葬式には出ない」という直説法・未来条件のルール)が、主節の時制に引きずられて「時制の一致」を起こしたものです。カールさんが旅を続ける以上、家族の最期に立ち会えないという厳しい現実を、当時のリアルな方針として冷静かつ客観的に受け入れていたことがこの構文から読み取れます。
英文:That first step will open a world of possibilities and opportunities, so don’t be afraid.(動画内 03:31)
日本語訳: その最初の一歩が、無限の可能性と機会を切り開いてくれます。だから、恐れないでください。
解説:
動画の終盤、カールさんが視聴者に向けて「ソファーから立ち上がって、行動を起こそう」と熱いメッセージを送る感動的なシーンからの英文です。
a world of ~(無限の〜、非常に多くの〜):
直訳すると「〜の世界」ですが、比喩的に「無限の〜」「数え切れないほどの〜」という意味で使われます。単に many や a lot of と言うよりもスケールが大きく、目の前に新しい世界が広がるようなドラマチックなニュアンスを相手に与えることができます。
possibilities and opportunities(可能性と機会):
ビジネスや自己啓発のスピーチなどで非常によくセットで使われる定番のペアです。possibility は「(何かが起こる、または成功する)潜在的な可能性」、opportunity は「(自分にとってプラスになる)具体的なチャンス・機会」を指します。
無生物主語の構文:[That first step(主語:S)] [will open(動詞:V)] [a world of...(目的語:O)] の形をとっています。人ではなく「最初の一歩」を主語に置く(無生物主語)ことで、「最初の一歩を踏み出しさえすれば、自動的に未来が切り開かれる」という因果関係を力強く、かつ簡潔に伝える英語らしい洗練された表現です。
まとめ
27年間という壮大な徒歩の旅を続ける男性を描いた今回のCBSニュースは、ドキュメンタリーならではの臨場感と人間味に溢れていました。記事内でご紹介した通り、学校英語や試験でおなじみの「not ~ until」構文や「仮定法過去」「無生物主語」といった重要文法が、過酷な旅の決意を語るリアルな言葉として機能している一方で、日常会話特有の「sucks」や「mess up」などの生々しい口語スラングが自然に織り交ぜられているのが特徴的です。教科書の文字の上だけでは見えにくい、状況や感情に伴うリアルな英語の使われ方を客観的に学べる内容となっています。



コメント