今回は世界中のSNSでも大きな話題となったDjo(ジョー・キーリー)の楽曲『End of Beginning』の公式音源から、リアルな英語表現や感情豊かなフレーズを学びます!
この楽曲は、ドラマ『ストレンジャー・シングス』のスティーブ役でも知られる俳優・音楽家のジョー・キーリー(アーティスト名:Djo)が手掛けた、ノスタルジックなシンセポップです。
歌詞では、かつて音楽活動の拠点として過ごした街「シカゴ」に戻ることで、当時の自分(“another version of me”)を思い起こし、過去の未熟さや青春時代に感謝しながら「始まりの終わり(the end of beginning)」へと別れを告げる心情が描かれています。英語のことわざ “You can take the boy out of the country, but you can’t take the country out of the boy”(人は育った故郷から離せても、故郷の魂を人から消し去ることはできない)をアレンジした印象的なリフレインなど、詩的でありながら日常会話でも使える自然な口語表現が散りばめられています。
- テキスト上の難易度:英検準2級〜2級 / TOEIC 500点程度
(使われている単語自体は平易で日常的な語彙が中心ですが、比喩やことわざを引用した詩的な構文が含まれます。) - レベル目安(リスニング体感難易度):英検2級 / TOEIC 600点程度
(テンポは穏やかで聞き取りやすいものの、メロディに乗せた音の連結(リエゾン)や省略、独特の抑揚があるため、リズムに合わせてフレーズを捉える力が必要です。)
重要単語・フレーズ解説
動画に出てくる重要な語彙や、知っておくと表現の幅が広がるスラング・難単語をピックアップして解説します。
表現①:black and white(動画内 0:12)
- 意味・ニュアンス
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物事が「白黒はっきりしている」「単純明快である」という意味です。歌詞中では否定形(aren’t black and white)で使われており、「善悪や正解が簡単には割り切れない、曖昧で複雑な状態(グレーゾーン)」を指しています。
学校英語やビジネス英語では「in black and white(白黒はっきり文書化されて)」という成句でもよく登場しますが、日常会話や歌詞では「二項対立で単純化できるか否か」の比喩として頻出します。深夜になり、感情や過去の記憶が入り混じって単純には割り切れなくなる心情を端的に表しています。
一言フレーズ(活用例):
Life isn't always black and white, so don't be too hard on yourself.
人生は白黒はっきり割り切れるものばかりではないのだから、自分を追い詰めすぎないで。
表現②:Enter Troubadour / Enter: Caroline(動画内 0:24 / 1:21)
- 意味・ニュアンス
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「〜の登場」「〜が入場する」という意味です。戯曲や演劇の台本(ト書き)で、登場人物が舞台に現れる指示を出す際に用いられる劇的な表現です。
通常の口語文法では “Troubadour enters” や “Here comes Caroline” となるところを、語順を倒置させて演劇用語の作法をそのまま歌詞に持ち込んでいます。これにより、自らの過去の記憶や人生の転機を「客観的に眺める舞台の一幕」のように演出しています。なお “Troubadour” は吟遊詩人という意味のほか、音楽の聖地として知られるロサンゼルスの伝説的ライブハウスの名でもあり、自身のキャリアの節目を暗示しています。
一言フレーズ(活用例):
Just when I thought it was over, enter my new boss with a whole new project.
やっと終わったと思った矢先に、新しい上司が全く新しい案件を引っ提げて登場した。
表現③:I was in it(動画内 0:46)
- 意味・ニュアンス
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「その渦中にいた」「その日々にどっぷりと浸かっていた」「本気で生きていた」というニュアンスです。
直前の “another version of me(かつての別の自分)” を受けており、単に「そこに存在していた」のではなく、当時のシカゴでの生活、感情、青春のまっただ中に「完全に没入し、その世界の一部となっていた」感覚を前置詞 “in” だけで力強く表現しています。主観的に全力で生きていたあの頃の実感を噛みしめる深い表現です。
一言フレーズ(活用例):
Looking back at my youth, I realize how deeply I was in it.
若い頃を振り返ると、自分があの頃いかにその瞬間に没頭していたかがわかる。
表現④:the end of beginning(動画内 0:49)
- 意味・ニュアンス
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「始まりの終わり」「助走・準備期間の終焉」という意味です。人生の初期段階や模索期が終わり、真の次のステージへと進む節目を表します。
この曲のタイトルでもある本フレーズは、ウィンストン・チャーチルの有名な演説の一節(”Now this is not the end. It is not even the beginning of the end. But it is, perhaps, the end of the beginning.”)を背景に持つ教養的な言い回しです。「終わり」を単なる喪失としてではなく、青春の助走フェーズが完了し、本格的な人生の次章が始まる通過儀礼として捉える前向きな哀愁が含まれています。
一言フレーズ(活用例):
Graduation isn't the final goodbye; it's just the end of the beginning.
卒業は終わりではなく、始まりの助走期間が終わったに過ぎない。
表現⑤:Now isn’t that a laugh?(動画内 1:09)
- 意味・ニュアンス
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「笑える話じゃないか?」「皮肉なものだよね」「なんとも滑稽じゃないか」という意味の反語的・皮肉めいた口語表現です。
ここでの “a laugh” は「心からの笑い」ではなく、「冗談のような出来事」「ばかげた皮肉」を指す名詞です。否定疑問文の形を取ることで、「本当に笑えるよね?(いや、むしろ皮肉で苦笑いするしかない)」という自虐的でビタースイートなニュアンスを醸し出しています。リスナーや自分自身に語りかけるような親密な響きを持ちます。
一言フレーズ(活用例):
I lost my umbrella on the only day it rained this month—now isn't that a laugh?
今月唯一雨が降った日に傘をなくすなんて、笑える話(皮肉なもの)だよね。
表現⑥:clueless(動画内 1:12)
- 意味・ニュアンス
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「何も分かっていない」「全く無自覚な」「見当もつかない」という意味の形容詞です。
語源は “clue(手がかり・ヒント)” + “-less(〜がない)” で、状況を理解するための手がかりを一切持たず、自分が置かれている状況の重大さに気づいていない無邪気さ・世間知らずさを表します。歌詞では “clueless at the time(当時はまったく無自覚だった)” として、後から振り返って初めて払った犠牲の大きさに気づいた若き日の未熟さを表現しています。
一言フレーズ(活用例):
I was completely clueless about how much effort it would take.
それにどれほどの労力がかかるのか、当時の私は全く分かっていなかった。
表現⑦:You take the man out of the city, not the city of the man(動画内 1:53)
- 意味・ニュアンス
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「人を街から連れ出すことはできても、その人の中に染み付いた街の魂(影響)を取り去ることはできない」という意味です。
英語の有名なことわざ “You can take the boy out of the country, but you can’t take the country out of the boy(人を田舎から出すことはできても、その人から田舎気質を抜くことはできない)” を踏まえた応用表現です。文末の “not the city of the man” はリズムのために口語的に変形されていますが、物理的にシカゴを離れても、そこで培われたアイデンティティや思い出は一生自分の内側に残り続けるという、本楽曲の核心メッセージを端的に物語っています。
一言フレーズ(活用例):
Even after living abroad for decades, you can never take the hometown out of the person.
何十年海外で暮らそうとも、その人から生まれ育った故郷のルーツを消し去ることはできない。
ピックアップ英文・構文解説
動画の重要シーンから、知っておくと役立つ英文やネイティブ特有のセリフを厳選し、詳しく解説します。
英文:Just one more tear to cry, one teardrop from my eye(動画内 0:03)
日本語訳:流すべき涙はあと一粒だけ、瞳からこぼれ落ちる一筋の涙。
解説:
冒頭でリスナーを一気に楽曲の世界観へ引き込む、主語や動詞を省略した詩的で美しい構文です。
- 構文のポイント(不定詞の形容詞的用法):
[one more tear] + (to cry)という構造になっており、不定詞to cryが直前の名詞tearを後ろから修飾する「形容詞的用法(〜するための/〜すべき)」として機能しています。 - 同格によるリズム感:
後半のone teardrop from my eyeは、前半のone more tearをより具体的な情景として言い換えた同格表現です。メロディに乗せて「tear」と「teardrop」を重ねることで、感情を押し殺しながらも最後の一滴を流す切なさが際立っています。
英文:You better save it for the middle of the night(動画内 0:12)
日本語訳:その涙は、真夜中のために取っておいた方がいい。
解説:
日常会話でも頻出する助動詞の口語短縮形と、目的語を伴う基本動詞のフレーズが組み合わさった表現です。
- 構文のポイント(had better の省略):
学校英語で習う強い忠告・提案の表現had better + 動詞の原形(〜した方がよい)ですが、口語ではhadが省略されてYou better + 原形の形で使われることが非常に多くあります。 - 熟語:save A for B(BのためにAをとっておく・残しておく):
ここでの代名詞itは、直前の歌詞に出てきた「涙(tear)」を指しています。「今泣くのではなく、もっと感情が込み上げてくる真夜中のために取っておくべきだ」という、感情のコントロールを語りかけるニュアンスを持ちます。
英文:And when I’m back in Chicago I feel it, another version of me(動画内 0:35)
日本語訳:そしてシカゴに戻ると肌で感じるんだ、かつてのもう一人の自分を。
解説:
楽曲全体の核となるノスタルジーを象徴する重要な一文です。文法的な主節と、感情を補足する名詞句の配置に工夫が見られます。
- 構文のポイント(時間を示す副詞節+同格補足):
[when I'm back in Chicago](シカゴに戻っているとき)という時を表す副詞節に続いて、主節I feel it(それを感じる)が置かれています。 - 代名詞
itとanother version of meの関係:
英文法上、feel itのitは漠然とした「その場の空気や感覚」を指していますが、直後に置かれた名詞句another version of me(かつて存在した別のバージョンの自分)が、その「感じている対象の正体」を追記・同格のように具体化しています。
「過去の自分がまるで独立した別人のように街の中に息づいている」という抽象的な感覚を、シンプルな英語で見事に表現しています。
英文:This song has started now, and you’re just finding out(動画内 1:00)
日本語訳:この曲はもう始まっているのに、君は今になってようやく気づいている。
解説:
現在完了形と現在進行形を対比させ、時間の経過と自覚のズレを鮮やかに描いたメタ的(自己言及的)な構文です。
- 構文のポイント(現在完了形 vs 現在進行形):
has started now(現在完了形):出来事がすでに始まって「現在進行している状態」を客観的に示しています。are just finding out(現在進行形 + just):句動詞find out(知る・気づく)にjustが加わることで、「今まさに気づきつつあるところだ/今さら知ったばかりだ」という時間差の驚きを強調しています。 - ニュアンスの深層:
楽曲そのものの進行を指すと同時に、「人生の重要なステージはすでに始まって動いているのに、当事者である自分(あるいは相手)は後になってようやくその重大さに気づく」という、青春の無邪気さと時間の不可逆性を表しています。
応用トレーニング
今回登場した表現の中から、日常やビジネスでも特に使い回しやすい重要表現 clueless(全く分かっていない/見当もつかない)をピックアップし、動画以外のシチュエーションでの活用パターンを解説します。
動画では「若かりし頃に払っていた大きな犠牲に対して、当時は全く無自覚で気づいていなかった(clueless at the time)」という文脈でしたが、この表現は異なる場面でもそのまま応用できます。
- 使い方の型:形容詞なので、基本は
be動詞 + cluelessの形で使います。「〜について全く分からない・見当がつかない」と対象を明示したいときは、後ろに前置詞を伴ってbe clueless about [名詞 / 動名詞 / 疑問詞節]と繋げます。また、completelyやtotallyなどの強調の副詞を直前に置くのがネイティブの定番パターンです。
パターン①:【ビジネス・仕事】急なシステム導入や新業務で、何から手をつければいいか分からないとき
- 例文:To be honest, I was completely clueless about how to use the new management system on my first day.
- 訳:正直なところ、初日は新しい管理システムの使い方が全く見当もつきませんでした。
- ポイント:単に「I didn’t know」と言うよりも、「手がかりすらなく途方に暮れていた」という未熟さや混乱の度合いをリアルかつ自然に伝えられます。
パターン②:【日常会話】友人から専門的な話題や流行について聞かれ、お手上げだと答えるとき
- 例文:Don’t ask me about investing; I’m totally clueless when it comes to the stock market.
- 訳:投資のことは私に聞かないで。株式市場のこととなるとさっぱり分からないんだ。
- ポイント:自分の苦手分野や知識のないジャンルについて質問された際、「I’m totally clueless(さっぱり見当もつかない)」とカジュアルに返答する際に重宝します。
パターン③:【自己啓発・キャリア】過去の未熟だった自分を振り返り、現在の成長と対比させて語るとき
- 例文:When I first started my business in my twenties, I was clueless, but every failure taught me a valuable lesson.
- 訳:20代で初めてビジネスを始めた頃は右も左も分かっていませんでしたが、すべての失敗が貴重な教訓となりました。
- ポイント:過去の「世間知らずで無知だった状態」を客観的に表現できるため、自己紹介やスピーチで過去の失敗と現在の成長を対比させる際に最適です。
まとめ:今日出てきた重要表現リスト
今回の『End of Beginning』で学んだ表現です。動画の音に合わせて口に出して復習してみましょう!
- black and white:白黒はっきりしている、単純明快な(否定形で「単純には割り切れない曖昧な状態」)
- Enter Troubadour / Enter: Caroline:〜の登場、〜が入場する(演劇のト書きを用いた劇的な表現)
- I was in it:その渦中にいた、どっぷり浸かっていた(当時の日々に全力で没入していた感覚)
- the end of beginning:始まりの終わり、助走期間の終焉(人生の次章へ進む節目)
- Now isn’t that a laugh?:笑える話じゃないか?、皮肉なものだよね(自虐的・反語的な口語表現)
- clueless:何も分かっていない、全く無自覚な(状況を把握する手がかりがない状態)
- You take the man out of the city, not the city of the man:人を街から連れ出せても、街の魂を人から消し去ることはできない(ことわざを応用した表現)
💡 この動画の活用アドバイス
穏やかなテンポのシンセポップのため、メロディに乗せた音の連結(リエゾン)や脱落を意識しながら音源に声を重ねるオーバーラッピングが最適です。
特にサビや反復されるリフレインのリズムに合わせて声に出すことで、詩的構文や口語表現特有の自然な抑揚を効率よく身体に定着させることができます。



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