今回は新進気鋭のアーティスト Malcolm Todd(マルコム・トッド)の楽曲『Earrings』の動画から、リアルな英語表現を学びます!
本作は、複雑な恋心や心の葛藤を描いた切ないポップソングです。「have the heart(〜する気力がある)」などの日常的なフレーズから、「be in one’s feelings(感情的になる・落ち込む)」といったトレンド感のあるスラング表現まで、洋楽ならではの生きた英語を学ぶのにぴったりの一曲です。
- テキスト上の難易度: 英検準2級 / TOEIC 450点程度(使われている単語や文法構造自体はシンプルで、基礎的な英語力があれば十分に読み解けます。)
- レベル目安(リスニング体感難易度): 英検2級 / TOEIC 600点程度(楽曲特有のリズムに乗せた音の連結や、「’em」「’Cause」などの短縮音、スラングのニュアンスを聴き取る必要があるため、やや体感難易度が上がります。)
重要単語・フレーズ解説
動画に出てくる重要な語彙や、知っておくと表現の幅が広がるスラング・難単語をピックアップして解説します。
表現①:in your head(動画内 00:01)
- 意味・ニュアンス
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「頭の中だけに存在する」「思い過ごしである」「考えすぎている」という意味です。相手の愛や抱えている悩みが現実のものではなく、自分の妄想や思い込みに過ぎない状態を表します。
[ワンポイント]
学校英語では “in one’s mind” と習うことが多いですが、口語表現の “in your head” は「実際には起きていないのに、自分の頭の中で勝手に作り出して悩んでいる」というネガティブな妄想や考えすぎを指摘する際に頻出します。”It’s all in your head.”(それは全部君の気にしすぎだよ)は日常会話の超定番フレーズです。
一言フレーズ(活用例):
Don't worry too much; the problem is mostly in your head.
あまり心配しないで、その問題はほとんど君の思い過ごしだよ。
表現②:save it for another day(動画内 00:13)
- 意味・ニュアンス
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「また別の機会にする」「後回しにする」という意味です。今言うべきことや行うべきことを、気まずさや躊躇いから先送りにするニュアンスを含みます。
[ワンポイント]
“save” には「取っておく」という意味があり、直訳すると「別の日のためにそれを取っておく」となります。ポジティブに「楽しみを後にとっておく」という意味でも使えますが、歌詞のように伝えたい言葉があるのに言えず「後回しにして逃げる」という切ない心境を表現する際にもよく使われます。
一言フレーズ(活用例):
I was going to complain, but I decided to save it for another day.
文句を言おうと思ったけれど、また別の機会にすることにした。
表現③:have the heart (to do)(動画内 00:19)
- 意味・ニュアンス
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主に否定文で用いられ、「(相手を傷つけるのが辛くて)〜する勇気がない」「〜するに忍びない」という意味になります。
[ワンポイント]
“have the courage to do”(〜する勇気がある)と似ていますが、”have the heart” は特に「感情的・倫理的な痛みを伴うこと(相手に本当のことを言って傷つけるなど)」に対して「非情になれない」「心が痛んでできない」という気持ちの優しさや弱さを強調します。歌詞の “never had the heart” は「どうしても言い出す思い切り(勇気)がなかった」という切ない心情を描いています。
一言フレーズ(活用例):
I didn't have the heart to tell him the bad news.
彼に悪い知らせを伝える気にはとてもなれなかった(心が痛んで言えなかった)。
表現④:drift apart(動画内 00:22)
- 意味・ニュアンス
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「(時間が経つにつれて)徐々に離れていく」「遠ざかっていく」という意味です。一般的には人間関係で「疎遠になる」という意味でよく使われますが、動画内では失くしたイヤリングが自分から離れていってしまう状況を表しています。
[ワンポイント]
“drift” は「漂流する、あてもなく漂う」という意味の動詞です。通常は「気付いた時にはお互いの距離や関係性が少しずつ離れてしまっていた」という自然で切ない人間関係の疎遠さを表現するのによく使われますが、動画内(Now they just drift further apart / From you)での主語 “they” は、直前に登場する複数形の「イヤリング(earrings)」を指しています。”drift apart from 〜” で「〜から離れていく・遠ざかる」という構文になり、言い出せないまま失くしてしまったイヤリング(they)が、自分(you)からさらに遠ざかり、取り戻せなくなっていく状況を巧みに表現しています。
一言フレーズ(活用例):
After graduation, we slowly began to drift apart.
卒業後、私たちは少しずつ疎遠になっていった。
表現⑤:Extra, extra, read all about it!(動画内 01:38)
- 意味・ニュアンス
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「号外だ、号外!詳しく読んでいって!」という意味で、周囲の注意を大声で惹きつけるための伝統的な決まり文句です。
[ワンポイント]
もともとは新聞の売り子が街頭で「号外(Extra edition)」が出た際に叫んでいた定番の呼び込み文句です。現代では実際の新聞売りだけでなく、曲のフックや日常会話で「大変だ!みんな聞いてくれ!」「大ニュースがあるぞ!」とドラマチックに注目を集めたい時に使われるキャッチーなレトロ表現です。
一言フレーズ(活用例):
Extra, extra, read all about it! We just signed the new contract!
号外だ、みんな聞いてくれ!ついに新しい契約を結んだぞ!
表現⑥:be in one’s feelings(動画内 01:40)
- 意味・ニュアンス
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「感情的になっている」「センチメンタルになっている」「自分の世界に入り込んでモヤモヤ思い悩んでいる」という意味のスラングです。
[ワンポイント]
近年、Z世代を中心にSNSや洋楽の歌詞で爆発的に普及した口語表現です。過去の恋愛や傷ついた出来事を思い出して、一人で落ち込んだり感情が昂ぶったりしている状態を指します。”Mac is in his feelings” は、主人公のMacが自分の感情に振り回されてエモーショナルになっている様子をリアルに描写しています。
一言フレーズ(活用例):
I always get in my feelings when I listen to this song late at night.
夜遅くにこの曲を聞くと、いつもセンチメンタルな気分になってしまう。
表現⑦:get out of it(動画内 01:40)
- 意味・ニュアンス
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「(ネガティブな状態や感情、落ち込みから)抜け出す」「脱出する」という意味です。
[ワンポイント]
“get out of ~” は「〜から出る」という基本動詞ですが、感情やスランプ、沼のような状態に対して使うと「そのネガティブな状況から自力で抜け出す」という意味になります。歌詞の “can’t get out of it” は、感情の渦(in his feelings)にハマり込んでしまい、自分ではどうにも抜け出せない切ない状態を強調しています。
一言フレーズ(活用例):
He's stuck in a bad mood and can't seem to get out of it.
彼は不機嫌な状態に陥っていて、そこから抜け出せないようだ。
ピックアップ英文・構文解説
動画の重要シーンから、知っておくと役立つ英文やネイティブ特有のセリフを厳選し、詳しく解説します。
英文:You couldn’t tell her that you lost ‘em(動画内 00:05)
* 日本語訳: それ(イヤリング)を無くしたと、君は彼女に言えなかった。
- 文構造(SVOO / 第4文型):
tell + 人(O1)+ [that + S + V](O2)の形をとる第4文型(SVOO)です。her(人)の後に接続詞thatが導く節[you lost 'em]が続き、「彼女に〜ということを伝える」という構造になっています。 - 口語特有の省略形 `’em`:
'emは代名詞themの口語的な縮約形です。ここでは前のラインに出てくるearrings(イヤリング)を指しています。ネイティブの日常会話や歌詞では、thの音が脱落して「エム」のように発音されることが多いため、リスニングで押さえておきたいポイントです。
英文:So you think of what to say and save it for another day(動画内 00:13)
* 日本語訳: だから、何と言えばいいのか考えて、それをまた別の機会に後回しにしてしまうんだ。
- 「疑問詞 + to 不定詞」の重要構文:
what to sayは「何を言えばいいのか / 言うべきこと」を意味する【疑問詞 + to 不定詞】の構文です。前置詞think ofの目的語として機能しています。 - 代名詞 `it` が指す内容:
接続詞andが[think of what to say]と[save it for another day]の2つの動詞フレーズを繋いでいます。ここで使われている代名詞itは直前のwhat to say(言おうと考えている言葉)を指しており、「伝える言葉を考えはするものの、気まずさからその日は言わずに先送りにしてしまう」という繊細な心理描写がなされています。
英文:Mac is in his feelings and he can’t get out of it(動画内 01:40)
* 日本語訳: マックはセンチメンタルになっていて、そこから抜け出せずにいるんだ。
- 三人称による客観的な語り口:
アーティスト本人の名前(Mac)を三人称で呼ぶことで、直前の「Extra, extra, read all about it!(号外だ!)」というフレーズに合わせ、まるで第三者がニュースを伝えるかのようなキャッチーな表現になっています。 - 代名詞 `it` と動詞のニュアンス:
後半のcan't get out of itで使われているitは、前半のin his feelings(感情的・センチメンタルになっている状態)を指しています。「〜から出る」を意味するget out of ~を用いることで、自分の感情の渦にハマり込み、自力では抜け出せなくなっているモヤモヤした様子がリアルに表現されています。
💡【ここが落とし穴!】歌詞に出てくる「you」は誰のこと?
英語学習で you と聞くと、「あなた(聞き手)」や「一般の人々(人は誰しも〜)」と訳すのが基本だと習います。そのため、この曲を聴いて「アーティストが誰か友達に向かってアドバイスや説教をしているのかな?」と混乱した方もいるかもしれません。
しかし、洋楽やネイティブの日常会話では、「自分自身に向かって you(お前/自分)と語りかけるセルフ・トーク(自問自答)」 の表現が頻繁に使われます。
- 学校で習う
you: 「あなた(目の前の相手)」または「一般の人々」 - この曲の
you: 「自分自身(アーティスト自身)」
なぜ「自分」なのに you なのか?
後悔や情けない気持ちで頭がいっぱいになっている時、日本語でも「自分、何やってんだろ…」「お前また逃げたな…」と、まるで自分を客観視するように心の中で語りかけることがありますよね。英語の you にもまったく同じ役割があります。
この曲の主人公 Malcolm Todd(Mac)は、「気まずくて素直になれず、言葉を飲み込んで後悔している自分自身」を客観視して、「お前、また彼女のベッドにイヤリング忘れて言い出せないでいるのかよ…」 と自分に呆れながら自問自答しているのです。
曲の後半に出てくる “Mac is in his feelings”(マックは自分の感情に呑み込まれている) というフレーズからも、この you がマック自身(一人芝居)であることがよく分かります。
歌詞を読むときは「誰から誰へのメッセージなのか(視点/POV)」を意識すると、曲の情景や切ない心理描写がぐっとリアルに浮かび上がってきます。
応用トレーニング
今回登場した表現の中から、日常やビジネスでも特に使い回しやすい重要表現 drift apart(疎遠になる/心が離れる)をピックアップし、動画以外のシチュエーションでの活用パターンを解説します。
動画では「本当のことを言い出せないまま、お互いの距離や関係性が少しずつ離れていってしまう」という切ない恋心の文脈でしたが、この表現は友人関係や職場の人間関係など、異なる場面でもそのまま応用できます。
使い方の型: 主語(複数) + drift apart または 主語 + drift apart from + 人 の形で使用します。「喧嘩」などの明確な理由ではなく「時間の経過や環境の変化で自然と距離ができる」ニュアンスを持つため、gradually(徐々に)や naturally(自然と)、slowly(ゆっくりと)などの副詞と相性が抜群です。
パターン①:【日常会話・友人関係】引っ越しや環境の変化で旧友と疎遠になったとき
- 例文: We used to be best friends, but we gradually drifted apart after moving to different cities.
- 訳: 私たちはかつて親友だったが、違う街に引っ越してから徐々に疎遠になってしまった。
- ポイント: 仲が悪くなったわけではなく、物理的な距離や生活環境の変化によって連絡が減り、自然と離れてしまった状況を表現する定番のフレーズです。
パターン②:【ビジネス・仕事】部署異動や転職に伴う人間関係の変化
- 例文: Even though we worked closely on the project, we began to drift apart after she moved to another department.
- 訳: そのプロジェクトでは密に連携して働いていたが、彼女が別の部署へ異動した後は疎遠になり始めた。
- ポイント: 職場内での付き合いが少なくなった際にも、角を立てずに「業務上の接点が減って疎遠になった」というニュアンスを品よく伝えることができます。
パターン③:【自己啓発・ライフスタイル】価値観や趣味の変化による人間関係の移り変わり
- 例文: As our interests changed over the years, my old teammates and I naturally drifted apart.
- 訳: 年月が経つにつれて興味・関心が変わり、昔のチームメイトとは自然と心が離れていった。
- ポイント: お互いの成長や人生のステージが変わる中で、自然に人間関係が変わっていくポジティブ〜中立的な感情を述べる際にも活用できます。
まとめ:今日出てきた重要表現リスト
今回の『Earrings』で学んだ表現です。動画の音に合わせて口に出して復習してみましょう!
- in your head:頭の中だけに存在する、思い過ごしである
- save it for another day:また別の機会にする、後回しにする
- have the heart (to do):(心が痛んで)〜する勇気がない、〜するに忍びない
- drift apart:徐々に疎遠になる、自然と心が離れていく
- Extra, extra, read all about it!:号外だ!詳しく読んでいって!(注目を集める決まり文句)
- be in one’s feelings:センチメンタルになっている、感情的になっている
- get out of it:(落ち込みやネガティブな状態から)抜け出す
💡 この動画の活用アドバイス
ミディアムテンポのポップソングなので、音源に声をぴったり重ねる「オーバーラッピング」が効果的です。'em などの音の脱落やリンキングを歌手の音通りに真似しながら、後半にリフレインするZ世代スラングのリズム感を口になじませましょう。



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