黒人英語のスラングを解説!21台の車が盗まれた爆笑インタビュー

【1300万回再生】ネットで大バズり!メンフィスの自動車窃盗事件インタビューから学ぶリアルなストリート英語

今回はアメリカ・メンフィスのオークション会場から21台の車が盗まれたニュースの「街頭インタビュー」の動画から、リアルな英語表現を学びます!

この動画は、公開から3年間で1,300万回以上も再生されるほどネット上で大きな話題となりました。これほどまでに世界中でバズった理由は、インタビューに答えている男性(エリックさん)のキャラクターが強烈すぎること、そして彼の必死な発言やリアクションが、海外のネットユーザーの間で「どう見ても犯人(あるいは黒幕)の言い訳にしか見えない」というネットミーム(大喜利)に発展したからです。

エリックさんの大きな身振り手振りや、カラフルなタイダイ柄のTシャツにキャップというファッションも相まって、海外では「まるでカートゥーン(海外アニメ)のキャラクターのようだ」「冷蔵庫にある家族のアイスを食べた時の、俺のリアクションと同じ」と評され、今もなお愛され続けている名作動画です。実際の事件の緊迫感と、彼のコミカルなキャラクターのギャップを楽しみながら、教科書には載っていないリアルな英語に触れてみましょう。

レベル目安
  • テキスト上の難易度: 英検準2級 / TOEIC 450点程度
  • レベル目安(リスニング体感難易度): 英検準1級〜1級 / TOEIC 850点程度
  • 【ナビゲーター解説】
    発話速度は約194 WPM(1分間に194単語を話すスピード)とネイティブの日常会話の中でもかなり速い部類に入ります。さらに、周囲の笑い声や独特なイントネーション、後述する「非標準的な文法」が多用されているため、文字で見るよりもリスニングの体感難易度は非常に高くなっています。

目次

重要単語・フレーズ解説

動画に出てくる重要な語彙や、知っておくと表現の幅が広がるスラング・難単語をピックアップして解説します。

表現①:could’ve gave(動画内 00:05)

意味・ニュアンス

〜してくれてもよかったのに、〜できたはずなのに

学校文法では could have + 過去分詞(given) と習いますが、ネイティブのカジュアルな日常会話(特にストリート英語)では、過去分詞の代わりに過去形(gave)が使われることがよくあります。ここでは「21台も盗むくらいなら、俺に1台くれたってよかったのに」という、エリックさんならではのユーモラスな本音(愚痴)を表現しています。

一言フレーズ(活用例):

You could've told me earlier.

もっと早く教えてくれたってよかったのに。


表現②:ought to be ashamed of oneself(動画内 00:11)

意味・ニュアンス

恥を知るべきだ、情けないと思うべきだ

ought to は「〜すべきだ(shouldとほぼ同義)」、be ashamed of ~ は「〜を恥じる」という意味の少し硬い表現ですが、日常会話では呆れや怒りを込めてよく使われます。動画内では themselves の代わりにストリート特有の表現である theyself が使われており、「21台も盗むなんて、あいつらは恥を知るべきだ」と非難しています。

一言フレーズ(活用例):

He ought to be ashamed of his behavior.

彼は自分の行動を恥じるべきです。


表現③:get one’s life together(動画内 00:15)

意味・ニュアンス

(だらしない生活や態度を)改める、しっかりする、ちゃんとする

直訳すると「人生を一つにまとめる」ですが、実際には「しっかりした人間になる」「まともな生活を送る」という意味の定番フレーズです。犯罪やトラブルに手を染める人々に対して、「いい加減に目を覚まして、ちゃんとした生き方をしろよ」と説教や忠告をするニュアンスで非常によく使われます。

一言フレーズ(活用例):

I need to get my life together and start studying.

心を入れ替えて、ちゃんと勉強を始めなければいけません。


表現④:folks(動画内 00:15)

意味・ニュアンス

人々、みんな、あいつら

学校では「家族、両親(parents)」の意味で習うことが多いですが、日常会話では people よりも少し親しみやカジュアルさを持たせて「そこにいる人たち」を指す際に広く使われます。動画では、事件を起こした連中や周囲の人間を指して「こいつら(困った奴ら)」というニュアンスで使われています。

一言フレーズ(活用例):

Thanks for coming, folks!

みんな、来てくれてありがとう!


表現⑤:You know what I’m saying?(動画内 00:29)

意味・ニュアンス

(私の)言っていることわかる?

自分の話に同意を求めたり、文脈の区切りに入れたりする超定番の口癖(相槌)表現です。実際のストリートの会話では、音が激しく縮まって「ナワムセイン」のように発音されるため、文字を知っていても耳でキャッチするのが非常に難しい表現の筆頭です。

一言フレーズ(活用例):

It's just too risky, you know what I'm saying?

リスクが高すぎるんですよ、わかるでしょ?


ピックアップ英文・構文解説

動画の重要シーンから、知っておくと役立つ英文やネイティブ特有のセリフを厳選し、詳しく解説します。

英文:It’s too hot to be driving 21 cars.(動画内 00:27)

日本語訳: 21台も車を運転するなんて、暑すぎるだろ。

  • 解説:
    学校英語や資格試験でも頻出の重要構文「too… to ~(〜するには…すぎる / あまりに…なので〜できない)」が使われている、非常に学習価値の高い英文です。
  • 構文の解説:
    It's too hot to drive...(運転するには暑すぎる)という基本形に加え、ここでは to be driving と不定詞の進行形が使われています。単に「運転する」という一般的な行為を指すのではなく、「今まさに21台もの車をこの猛暑の中でせっせと運転しているリアルな状況」を生き生きと描写するニュアンスが含まれています。
  • 表現の背景:
    メンフィスの厳しい暑さの中で、わざわざ21台もの車を盗み出して必死に移動させる犯罪者たちの行動に対して、「労働コスト(暑さ)に見合っていないだろ」とエリックさん独自のユニークな視点でツッコミを入れている名シーンです。

英文:I hope they find them 21 cars, though.(動画内 00:35)

日本語訳: でも、あの21台の車が見つかるといいんだけどね。

  • 解説:
    動画の締めくくりとなる一文で、会話を自然かつスムーズに結ぶための重要表現が含まれています。
  • I hope + [主語 + 動詞]:
    「〜であることを願う」「〜だといいな」という、未来の好ましい状況を期待する定番の表現です。hope の後ろには接続詞の that が省略されています。
  • 文末の though の役割:
    文末に置かれる though は、副詞として「だけどね」「一応〜だけど」という逆接のニュアンスを付け加える働きをします。文頭に置く But や However ほど堅苦しくなく、「まあとにかく、車が無事に見つかることを祈っているよ」と、最後に少しフォローを入れるような自然な響きになります。

まとめ

今回の動画は、実際の自動車窃盗事件という緊迫したニュースでありながら、インタビューに応じた男性のコミカルなキャラクターによって世界中で大バズりした街頭インタビューです。解説で触れたように、ストリート英語特有のbe動詞の省略や、学校英語・資格試験では「誤り」とされる文法パターン(could've gaveなど)が随所に散りばめられていました。教科書通りのきれいな英語とは異なる、リアルな口語表現のルールや特有のスピード感に触れることで、試験英語の一歩先にある「生きた英語」の多様性を実感していただけたのではないでしょうか。

プロフィール画像

赤井リリア(TOEIC 980点・英検1級の英語指導プロ)

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