WSJ英語で学ぶ!M&M’sの青色チョコが天然色素で作れない理由

WSJ英語で学ぶ!M&M'sの青色チョコが天然色素で作れない理由

今回は米経済紙『Wall Street Journal(WSJ)』による、人気チョコレート菓子「M&M’s」の製造工場に潜入し、天然色素を使った「青色」の再現がいかに困難であるかを科学的・ビジネス的視点から追ったニュースリポートの動画から、リアルな英語表現を学びます!

レベル目安・リスニングの注意点
  • テキスト上の難易度: 英検2級 / TOEIC 650点程度(pHや化合物、藻類といった科学的な専門語彙やビジネス用語が含まれますが、文構造自体は標準的で複雑すぎません)
  • レベル目安(リスニング体感難易度): 英検準1級 / TOEIC 780点程度(WPM 160〜180前後の明瞭でスピード感のあるニュースナレーションに加え、工場内でのリアルなインタビューやネイティブの自然な口語表現が含まれるため、体感難易度は高めです)
目次

重要単語・フレーズ解説

動画に出てくる重要な語彙や、知っておくと表現の幅が広がるスラング・難単語をピックアップして解説します。

表現①:get rid of(動画内 00:11)

意味・ニュアンス

〜を処分する、取り除く、なくす

学校英語では remove や eliminate といった堅い単語を習うことが多いですが、ネイティブが日常会話で「これ捨てといて」「悪い習慣をなくしたい」と言う時は、圧倒的にこの get rid of が好まれます。不要な物だけでなく、制度や目に見えない感情などに対しても幅広く使える万能フレーズです。

一言フレーズ(活用例):

We need to get rid of these old documents to make some space.

スペースを空けるために、これらの古い書類を処分する必要があります。


表現②:be sourced from(動画内 00:27)

意味・ニュアンス

〜から(原材料や情報などを)調達する、得る

名詞の「ソース(源泉・情報源)」としてはお馴染みですが、ビジネスやニュースではこのように受動態の動詞として「(特定の場所や素材から)仕入れる、調達する」という意味で非常によく使われます。食品のパッケージで「オーガニック素材を使用」などと表記される際にも定番の表現です。

一言フレーズ(活用例):

Our coffee beans are sourced directly from local farmers in Colombia.

当店のコーヒー豆は、コロンビアの現地の農家から直接調達されています。


表現③:get suited up(動画内 00:50)

意味・ニュアンス

(特定の目的のための)防護服やユニフォームを着る、装備を整える

suit(スーツ)という単語が含まれていますが、ビジネススーツを着るという意味だけではありません。動画のように「工場の防護服」や、スポーツの「ユニフォーム」、宇宙飛行士の「宇宙服」など、特定の活動をするための特別な服装を身にまとう際に使われるカジュアルな口語表現です。

一言フレーズ(活用例):

The players are getting suited up in the locker room before the big game.

選手たちは大事な試合を前に、ロッカールームでユニフォームに着替えています。


表現④:gotta(動画内 00:58)

意味・ニュアンス

〜しなければならない、絶対に〜だ

have got to の短縮形で、日常会話のリスニングで頻出する定番の口語表現です。学校で習う must や have to よりもカジュアルな響きを持ち、「絶対に〜しなきゃ!」という主観的な強い気持ちや、「〜に違いない」という強い確信を感情を込めて伝える際によく使われます。

一言フレーズ(活用例):

You gotta try this chocolate cake; it's absolutely delicious!

このチョコレートケーキ、絶対に食べてみて!めちゃくちゃ美味しいから!


表現⑤:hue(動画内 01:21)

意味・ニュアンス

色合い、色調、色彩

color よりも専門的、あるいは文学的でききれいな響きを持つ単語です。単に「赤」「青」という色の名前を指すのではなく、光の加減や混ざり具合によって生まれる「独特の繊細な色合いやトーン」を表現します。デザインや写真の分野だけでなく、日常の美しい風景を語る際にも重宝します。

一言フレーズ(活用例):

The sunset filled the sky with beautiful orange and purple hues.

夕焼けが空を美しいオレンジと紫の色合いで満たした。


表現⑥:Not so with…(動画内 01:36)

意味・ニュアンス

〜に関してはそうではない、〜の場合は異なる

直前に述べた事実や前提に対して、「しかし、〇〇の場合は話が別だ」と強い対比を示すネイティブらしい洗練された表現です。学校の文法教科書ではあまりスポットが当たりませんが、ニュースの解説やプレゼンテーションなどで、話の流れをスマートに変えたいときに非常によく使われます。

一言フレーズ(活用例):

Most smartphones are waterproof now, but not so with older models.

今やほとんどのスマホが防水ですが、古いモデルに関してはそうではありません。


表現⑦:landed on(動画内 02:29)

意味・ニュアンス

さまざまな選択肢を検討した結果、「最終的に〜に決定する」「〜に落ち着く」という意味の口語表現です。飛行機や鳥が地面に着陸する(land)イメージから派生し、議論や模索の末にあるアイデアや結論に「着地した」というニュアンスを含みます。

学校英語で習う “decide on” や “choose” よりも、試行錯誤や紆余曲折を経てようやく決まったというプロセスが強調されます。ビジネスのミーティングや日常会話で、多くの候補の中から「最終的にこれに決めた」と言いたいときに非常によく使われる自然な表現です。

一言フレーズ(活用例):

After hours of discussion, we finally landed on a new marketing strategy.

何時間も議論を重ねた結果、私たちは最終的に新しいマーケティング戦略に落ち着きました。


表現⑧:clog(動画内 02:59)

意味・ニュアンス

パイプやノズル、道路などが「詰まる」「塞がる」という意味の動詞です。液体や物がスムーズに流れなくなり、滞ってしまう状態を表します。

TOEICやビジネス英語、あるいは日常生活(排水口や交通渋滞など)で頻出する重要単語です。「詰まる」というと block を思い浮かべる方が多いですが、clog は特に「ドロドロしたものや異物が詰まって流れが止まる」というニュアンスが強く、動画内の「濃くなった液体がノズルを詰まらせる」という文脈にぴったりです。

一言フレーズ(活用例):

Hair and soap scum can easily clog the bathroom drain.

髪の毛や石鹸カスは、浴室の排水口を簡単に詰まらせてしまいます。


表現⑨:hitting shelves(動画内 03:58)

意味・ニュにアンス

新製品などが「店頭に並ぶ」「発売される」という意味のキャッチーな商業表現です。直訳すると「棚を叩く」ですが、工場から出荷された商品がお店の棚にドカンと並ぶ様子を生き生きと描写しています。

go on sale や be released のような一般的な表現に比べ、マーケティングやトレンドのニュース、ビジネスシーンで好んで使われる活気のあるフレーズです。主語には新製品や本、雑誌などがよく使われます。

一言フレーズ(活用例):

The highly anticipated smartphone will be hitting shelves later this month.

大変期待されているそのスマートフォンは、今月後半に店頭に並ぶ予定です。


表現⑩:get one’s hands on(動画内 04:36)

意味・ニュアンス

「(手に入りにくいものを)手に入れる」「入手する」という意味の非常にポピュラーな慣用句です。単に買うだけでなく、ずっと探していたものや、競争率の高いものを苦労して「我が物にする」というニュアンスが含まれます。

学校英語の obtain や get よりも口語的で、欲しいものに対して物理的に手を伸ばして掴み取るような躍動感があります。ネガティブな文脈で「〜の手に落ちる」という意味で使われることもありますが、基本的には「待望のものを手に入れる」というワクワクした場面でよく使われます。

一言フレーズ(活用例):

I've been trying to get my hands on a ticket for their concert, but they are all sold out.

彼らのコンサートのチケットを手に入れようとしているのですが、すべて完売しています。


表現⑪:elusive(動画内 04:36)

意味・ニュアンス

「手に入りにくい」「見つけにくい」「定義しにくい」という意味の形容詞です。捕まえようとしても、するりと逃げてしまうような存在や、実体がつかめないものを指します。

英検1級やTOEICの最難関レベルの語彙ですが、ネイティブの日常会話やニュース記事では比較的よく目にする上品な単語です。動画では、天然由来の青色M&M’sの開発がいかに困難で、なかなか実現しない「幻の存在」であるかを強調するために使われています。

一言フレーズ(活用例):

Success can be elusive if you don't have a clear plan and consistency.

明確な計画と継続性がなければ、成功を掴み取ることは難しい(手から逃げていく)かもしれません。


表現⑫:red-leaning(動画内 02:24)

意味・ニュアンス

「赤みがかった」「赤寄りの」という意味の形容詞前表現です。動詞 lean(傾く)から派生しており、完全にその色ではないものの、「どちらかといえばその色の傾向がある」というニュアンスを表します。

この [名詞・形容詞]-leaning という形は、色だけでなく政治的・思想的なスタンスを説明する際にも非常に頻出します。例えば、アメリカの政治ニュースで left-leaning(左派寄りの、リベラル寄りの)や Republican-leaning(共和党支持傾向のある)といった表現がよく使われます。学校英語ではあまり習いませんが、表現にグラデーションを持たせるのに便利な表現です。

一言フレーズ(活用例):

The critic is known for his slightly conservative-leaning opinions on economy.

その評論家は、経済に関してやや保守寄りの意見を持つことで知られています。

ピックアップ英文・構文解説

動画の重要シーンから、知っておくと役立つ英文やネイティブ特有のセリフを厳選し、詳しく解説します。

英文:And switching from artificial to natural dyes is more complicated than you might think.(動画内 00:36)

日本語訳: そして、人工着色料から天然着色料への切り替えは、皆さんが思うよりも複雑なのです。

解説:
この文は、動名詞が導く主語の構造と比較級の組み合わせが美しく、リーディングやライティングでも非常に参考になる構造を持っています。

主語の把握: 文の主語は [Switching from artificial to natural dyes] という長い動名詞句です。「人工の(artificial)ものから天然の(natural)着色料(dyes)へと切り替えること」という意味のひかたまりとして捉えましょう。動名詞句が主語になる場合、三人称単数として扱われるため、続く動詞は is になっています。

比較構文のポイント: <more + 形容詞 + than...> の比較級が使われています。末尾の than you might think は「あなたが思うかもしれないよりも」という意味の定番フレーズで、日本語の「思ったより」「案外」というニュアンスをきれいに表現したいときに重宝します。


英文:And unlike the highly concentrated artificial blue, spirulina’s color is more muted, so Mars has to use seven times the amount of dye to get the same color.(動画内 03:08)

日本語訳: また、高濃度に濃縮された合成の青色とは異なり、スピルリナの色はより控えめであるため、マーズ社は同じ色を出すために7倍の量の着色料を使用しなければなりません。

解説:
ビジネスや科学のデータ説明で非常によく使われる「倍数表現」や「比較・対比」の重要パターンが含まれた英文です。

前置詞 unlike の対比: unlike A で「Aとは違って、Aと異なり」という強い対比を表します。ここでは [the highly concentrated artificial blue](高度に濃縮された人工の青色)と、主節の [spirulina's color] を鮮やかに比較しています。

倍数表現の重要公式: 試験でも頻出する <倍数 + the amount of + 名詞> の形が使われています。ここでは seven times the amount of dye で「7倍の量の着色料」という意味になります。seven times as much dye as... と書き換えることも可能ですが、ニュースや論文などではこの the amount of を用いたスマートな表現が好まれます。


まとめ

今回のWSJによるリポートは、身近なチョコレート菓子を題材にしながらも、天然色素への切り替えに伴う科学的な障壁やビジネスの現実を浮き彫りにする、非常にスマートで知的な内容でした。記事の中で解説したように、教科書的な表現にとどまらず、landed on(最終的に落ち着く)といったネイティブ特有のリアルな口語表現、さらにはニュースならではの洗練された比較・倍数表現など、試験英語と実社会の英語とのギャップを体感していただけたのではないでしょうか。

プロフィール画像

赤井リリア(TOEIC 980点・英検1級の英語指導プロ)

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